【江藤詩文の世界鉄道旅】ドイツ鉄道(2)“ファーストクラス”の落とし穴…えっ、ドアが開かない!? (2/2ページ)

2014.12.28 18:00

朝もやのなかを走る快速列車。現地の人たちが乗っていた2等車なら、ドアが開かなくても誰かが助けてくれたはずなのに…

朝もやのなかを走る快速列車。現地の人たちが乗っていた2等車なら、ドアが開かなくても誰かが助けてくれたはずなのに…【拡大】

  • 貸し切りだった1等車。1等と2等のシートや設備には、高速鉄道ICEのような大きな差はないのだから、2等車に乗っていてもよかったのだ
  • 緑色のボタンを押すと扉が開くはずだった
  • つい浮気心を刺激された民間の地域鉄道「ハルツ-エルベ エクスプレス」。引き返すときには、フリーパスを使ってこの列車に乗ることができた

 きょろきょろとホームを見渡すと、迎えに来てくれた知人ふたりの姿が見える。窓を叩いて叫ぶわたし。男性は驚愕した表情で何かを叫び、その隣りにいる女性は…お腹を抱えてゲラゲラ笑っている。列車は無情にも動きだし、ふたりの姿はあっという間に後方に飛び去った。

 半ば放心状態で座席に戻ると、さっきは呼べど叫べど姿を現さなかった車掌が、こんなときに検札にやって来た。ご存じの方も多いだろうが、ヨーロッパの鉄道駅には改札口がなく、きっぷの確認をされないこともある。しかし車内検札で無賃乗車など違反が見つかると、高額な罰金を課せられる。

 もし片道きっぷで乗り越していたら、この場面は車掌の胸先三寸。最悪の場合、罰金になっていたのだろうか。このときほど“フリーパス”に感謝したことはない。

 「ドアが開かなくて降りられなかったのだけど」。乗車券ばっかり厳しく検査してさ。イヤミを含んで言うと、車掌はこう返した。

 「だいじょうぶ。あなたはフリーパスをお持ちですから、これから引き返す分の運賃もタダですよ」

■取材協力:ドイツ観光局レイルヨーロッパ

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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