「早く早く! 誰でもいいから、いますぐパスポートを出してくださいっ!!」
バンコク最大のターミナル駅で、タイの鉄道旅の起点になる「フアランポーン駅」にて。のんびりした足取りで、券売窓口までだらだらとついて来た案内係のお姉さんの表情が一変した。口調まで厳しくなり、私たち3人は思わず顔を見合わせた。
“3人”とは。説明が長くなるが、この日私はタイのハブ空港「スワンナプーム国際空港」から高速鉄道「エアポート・レイル・リンク」と「バンコク・メトロMRT」を乗り継いでフアランポーン駅に向かおうとしていた。エアポート・レイル・リンクの自動券売機前で声をかけてきたのが、デンマーク人のバックパッカー・カップルだった。東南アジアははじめてで、タイにたったいま到着したばかりという彼らに、乗車券の購入方法を教えたり、高額紙幣を両替してあげたり。人なつこいキャラクターで、フアランポーン駅までついてくることになった。