10万円でも売れない“負動産” ゴーストタウン化を招く「空き家予備軍」 (2/4ページ)

2015.2.1 07:00

 10万円でも売れず

 新潟県南魚沼郡湯沢町。上越新幹線の越後湯沢駅のホームからは、林立するリゾートマンション群が見える。バブルの絶頂期、スキー場に近くて温泉プール付きのこれらの物件は投資用としても人気を集め、数千万円で取引された。それがいまの売値は10万円単位だ。

 それでも売れない。バブルの終焉とともにスキー人口も縮小し、温泉街は寂れ、商店街はシャッター通りと化した。リゾートマンションは自然の中に建つため傷みが激しく、日常生活を送るには不便な造りだ。一番の問題は維持管理費で、毎年の固定資産税に加え、毎月管理費や修繕積立金などの共益費がかかる。ほとんどが滞納されたままなので、たとえ1円で落札しても、数百万円単位に膨らんだ滞納共益費の負債を落札者が承継、負担しなければならなくなる。

 逆に言えば、湯沢のリゾートマンションのオーナーはいったん購入したら最後、第三者に転売しない限り、負債から一生逃れることができない。流動性が著しく劣る不動産は、いわゆる「負動産」だ。この言葉の名付け親で不動産コンサルタントの牧野知弘さんは「湯沢のような事例は、かなり早い時期に郊外型マンションでも現実になる」と予言する。

建物の老朽化とともに居住者も高齢化し…

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