財務、厚生労働両省へ「介護報酬増額」の団体要請に同席する小池晃参院議員(右から3人目)=8日、財務省(しんぶん赤旗提供)【拡大】
◆介護制度に求められるもの
特養ホームの待機者が全国で52万人を超え、介護の負担を理由に離職する現役世代が毎年10万人に上るなど、世代を超えた「介護の危機」は深刻です。こんなときに、介護報酬の大幅削減を強行することは、政府としての責任を放棄するものと言わざるを得ません。
介護報酬削減に対して、介護事業者、労働者をはじめ、幅広い方々から危惧と反対の声がわき起こっています。政府は、介護現場からの切実な声に耳を傾け、報酬削減を撤回すべきです。
今、政府がやるべきことは、適切な介護報酬に引き上げるとともに、介護保険財政に対する国庫負担割合(現行は約25%)の引き上げを行って、介護保険料の負担を抑制し、低所得者の利用料減免をはじめ利用者負担を軽減することです。
安心できる介護の実現のため、介護報酬は削減ではなくアップさせることが、雇用を支え内需を温める「成長戦略」になるのではないでしょうか。
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【プロフィル】小池晃
こいけ・あきら 1960年生まれ、東京都出身。東北大学医学部医学科卒。東京勤労者医療会代々木病院などを経て現在、参議院議員、日本共産党副委員長・政策委員長。著書に「どうする 日本の年金」(新日本出版社)など。