60年目を迎えた2015年春闘が本格化している。焦点の賃上げは、2%以上のベースアップ(ベア)を求める連合と、昨年を上回る賃上げ率(昨年は約2.2%、うちベアは約0.3%)への期待を表明する経団連で隔たりがある。政労使会議でデフレ脱却の重要な役割を共有した企業の賃上げについて、どういう答えを導き出すのか。労使それぞれのキーパーソンに聞いた。(春闘取材班)
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■所得上げ好循環の起点を
□連合・古賀伸明会長
--今春闘に対する意気込みは
「経営者は、企業の収益が上がったから賃金を上げて好循環を生み出すという発想を転換し、多少の無理があっても、国民所得を上げて好循環の起点を前進させることが必要だ。昨年より厳しい交渉になるが、日本の社会をどうするかという視点で議論に応じてほしい」
--交渉の焦点は
「賃上げと並び労働時間短縮が重要な焦点になる。超少子高齢社会を支えるには性別、年齢に関係なく、仕事を通じて、社会参加する必要がある。ワークライフバランスを確立し、地域コミュニティーにも、働く者が責任を果たす時代が来ている」