「洞察力を磨くためにも推理小説を読もう」
読書欲に火がついたのは、大学受験を控えた高校3年の時。山岡荘八の『徳川家康』に夢中になり、受験勉強そっちのけで一気に読破しました。大学入学後は、推理小説にのめり込みます。松本清張や『オリエント急行殺人事件』で知られるアガサ・クリスティの作品はすべて読みました。クリスティの作品に登場する探偵ポアロが特に好きでして。推理小説は最後に犯人が明かされますが、それを予想しながら読むのが楽しい。3分の2ぐらい読んで、まだ犯人の目星がつかない時は、また最初から読み直し、手がかりを探します。
ビジネスで大切なことは数字や世の動きを予想し、それに基づいて緻密な計画を立てること。対外的なビジネスはもちろん、私は会社の人事予想もことごとく的中させました。サラリーマンにとっては重要なことですね(笑)。「どうしてそんなに当たるんだ」と驚かれますが、今思えば、推理小説のおかげで、人間関係や周囲の状況から物事を洞察する力が磨かれたのだと思います。