花がぎっしり詰まった空間で…
『Floating Flower Garden』は、後期の目玉で今回初公開。真っ白な部屋の中で体験するインタラクティブ作品だ。
一見すると、部屋の中は、花が非常に高い密度で埋まっていて入れない。が、人が近づいていくと、人の周囲の花だけが動きだし、空間が生まれる。前に進むと背中のほうは沈んでいき、また空間が埋まっていく。鑑賞者中心にドーム型の空間が生まれる仕組みで、鑑賞者同士が近づくと、互いのドーム型の空間がつながって、ひとつの大きなドームを形成する。
使用している生花は、複数の種類のラン。土がなくても十分な湿度を与えることで生き続け、空気中に生息しているかのよう。香りが高く、鑑賞者は、花に包まれ五感いっぱいに楽しめる。制作過程では、造花か生花か議論もあったが、「生きている花が空中に埋まってちゃんと育ち生きれば、『新しい庭』になる」と、生花にこだわったという。
「庭に合わせて人は歩いている」
国内メーカーの高い技術により、当初、花の動きは人が歩き回っても対応できるスピードで動く設計だった。が、あえて、ゆっくり動く設計にした。
「京都の庭園を歩くとき、庭にコケがあったら立ち止まる。人は庭に合わせて歩む」。猪子氏は、「花と対峙し(思いを馳せながら)歩くことで、花と一体化することができる」と作品の意図を話した。