症状が重い場合には、チタンなどでできた人工股関節を入れる手術も選択肢の一つだ。リハビリも含め入院は約1カ月。「ほとんど痛みがなくなる。麻酔など医療技術の進歩により、元気な人なら手術の年齢制限はなくなりつつある」と柳本部長。人工股関節の人工軟骨部分の性能も向上した。以前は15~20年程度で入れ替え手術が必要になったが、今は30~40年の耐用年数があるとされている。
人工股関節手術を受け、痛みから解放された人は多い。
埼玉県桶川市の主婦、八里きん子さん(60)は、大腿骨(だいたいこつ)の一部が壊死(えし)して変形し、長年、股関節の痛みに悩まされてきた。症状が悪化して昨年8月に、人工股関節手術を受けた。以前は1歩踏み出すたびにずきずきと痛んだが、今はスムーズに歩けるようになった。「手術を受けて日常生活には困らなくなりました」と八里さん。
股関節が痛いと外出が嫌になり、引きこもりがちになる。柳本部長は「初期に診断できれば、進行を遅らせることができる。筋力トレーニングや手術などで自分の体をメンテナンスしながら、自分で歩き、長く健康な生活を送ってほしい」と話している。