ああ、またやっちゃった…。観光地の“列車”には注意しなくちゃいけないと、ドイツで学んだばっかりだというのに。
目の前に停まっていたのは、龍をかたどった派手な先頭車両が引っ張る、“列車”とは名ばかりのミニバス。個人的に断固として「列車」とは認めたくないミニバスだった。
「水原(スウォン)には、1997年に世界文化遺産に登録された水原華城というすばらしい城があり、世界遺産の城郭を眺めながら、素敵な列車でぐるりと周遊できますよ」
ムグンファ号で訪れた水原駅。隣接した観光案内所には日本語専用のデスクがあり、日本語の地図やパンフレットが用意されている。窓口にいた50がらみの男性は、地図を指し示しながら流暢な日本語を話し、メモに「華城列車」と書き付けてくれた。