タイが好きだ。そのうえ鉄道ファンというと、必ずと言っていいほど「あれ乗った?」と問われる名物列車が、バンコク郊外にある。メークローン線。そう聞いただけでピンと来た人もいるだろう。ついに、そのときがやってきた。
さて、バンコクからメークローン線に乗りに行くには、まずマハーチャイ線に乗って、終点のマハーチャイ駅まで行かなければならない。バンコク側の始発はウォンウェンヤイ駅。リゾートホテルが建ち並ぶチャオプラヤ川の向こう側、ラグジュアリーな観光エリアとは打って変わって、庶民的な雰囲気のトンブリー地区にある。
早朝6時半。ウォンウェンヤイ駅は、早くも地元の人たちでにぎわっていた。プラットフォームには、できたてのおいしそうな料理を10種類以上も並べた食堂やコーヒーを飲ませるカフェ、注文が入ってから麺をゆでる立ち食い麺屋台、バナナを焼いている人もいて、眺めて飽きることがない。食べもの屋の隣りに、けっこうなスペースを確保して、なぜか洗濯ネットやハンモックを売る店が唐突に現れるのも、いかにも東南アジアらしい光景だ。きっと私にはわからない需要があるのだろう。