筆者はもともと「変な人」が好きだ。想像もできないような際立った発想力と尖(とが)った個性でガンガン仕事を進めていくやつが好きだ。間違えてもらいたくないのは独自の世界観とユニークな発想力がある「変てこな人」が好きなのであって「変態」が好きなのではない。
企業戦略家の大前研一氏の持論も「性格の悪いやつらを見つけてこい」だそうだ。同氏によれば会社経営成功のカギはいかにクオリティーの高い異質の才能を集めることができるかが最大の勝負で、「尖った変なやつ」を集められるかで企業の未来が決まるとまで断言している。高いクオリティーとは発想の質のことであり学歴とは全く関係ない。大前氏によれば、「性格の悪いやつ」は他の人が発想しないようなことを考え、独自の方法でそれを実現させる能力がある者が多いからだという。
ただし、会社という集団の中でいくら個の発想が秀逸でも一人で何でもできるわけがない。従って「性格の悪いやつ」を見つけた経営者は彼が社内の軋轢(あつれき)に負けることなく、自由に最大出力を発揮できる環境を整えてあげる必要がある。間違えても「聞いていない」を口にするようなやからを側に置いてはダメだ。