地域には温泉や湖など人気の観光地が多く、旅行前の情報収集が大切だ=5月29日(鈴木健児撮影)【拡大】
登山をする場合には、ルートなどを記載した登山届を現地の警察署に提出しておけば万が一、被災したときに捜索の手がかりとなる。戦後最悪の火山災害となった昨秋の御嶽山(おんたけさん)の噴火では、登山届を出していない登山客が大半で、被害の全体像の把握が難しかった。御嶽山のような突然の噴火の可能性も踏まえ、山小屋などの避難場所も確認しておけば安心だ。
また、火山地域にいる間は、注意を促す立て看板や防災無線によるアナウンスに留意する必要がある。「旅行を楽しんでいるときは、リスクに関する情報を見落としがち。知識があれば安心して楽しく旅行ができるはず」と河野さん。
火山ガスに注意
登山の際には、火山ガスが発生するリスクもある。毒性の強い硫化水素などが含まれ、空気よりも重いため、風通しの悪いくぼ地に集まりやすい。気象庁によると、20世紀以降の世界の火山災害では、計1900人が火山ガスが原因で亡くなっている。国内では平成9年、八甲田山で訓練中の自衛隊員3人が火山ガスにより死亡する被害が出ている。こうした過去の噴火や被害も、同庁のHPなどで確認できる。