地域には温泉や湖など人気の観光地が多く、旅行前の情報収集が大切だ=5月29日(鈴木健児撮影)【拡大】
防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の地震火山防災研究ユニットの棚田俊收・副ユニット長は「過去に火山ガスによる被害が起きた山かどうかを、事前に調べてから登山を」と注意を喚起する。
広範囲の降灰
登山をしない場合も気を付けたいのが、火口から数キロ以上離れた地域まで広範囲に影響を及ぼす火山灰だ。
火山灰には、マグマが冷えて粒子化したものや鉱物も含まれる。とがった粒子もあるため、目に入ると眼球を傷つけやすい。鼻やのどから吸い込むことで、鼻の粘膜や気管支、肺に影響する可能性もある。
呼吸器疾患に詳しい神奈川県立循環器呼吸器病センター(横浜市金沢区)の小倉高志副院長は「過度に心配する必要はないが、ぜんそくなど気管支系の症状を悪化させる場合もある。多く吸い込まないようにマスクをするなどの自衛を。コンタクトレンズを付けている人は眼鏡にし、目に入ったときには洗うなどの対策を」とアドバイスする。