梅雨明け後に急増する熱中症は、炎天下の屋外だけでなく、室内でも発症する。特に高齢者は重症化するケースも多く、注意が必要だ。適切な応急処置が重症化の予防につながるため、正しい知識を身に付けておきたい。(中井なつみ)
4カ月で40万8千人
熱中症は、気温が高い状態で体内の水分や塩分などのバランスが崩れたり、体の調整機能が正常に働かなくなって、体内に熱がこもってしまう症状。重症化すると死に至ることもある。
日本救急医学会の熱中症診療指針作成に関わり、予防対策の普及に取り組む「熱中症予防声かけプロジェクト」の実行委員長を務める昭和大医学部の三宅康史教授(救急医学)は、「暑い環境にいた後の体調不良は、まず、熱中症を疑ってほしい」と呼び掛ける。
熱中症患者は毎年、梅雨明け後の7月以降に急増し、多くの患者が救急搬送される。搬送者が過去最多となった平成25年は6~9月の4カ月で約5万9千人に上った。三宅教授は搬送者以外も含めた患者全体の実態を把握しようと、全国医療機関の診療報酬明細の電子データ(22~25年)を集計、分析し、25年6~9月の患者数を約40万8千人と算出した。三宅教授は「4カ月でこの数字とは、『災害』と呼べるレベルだ」と話す。