人気の職業となり、アイドル的な活躍もする声優と関わるのも音響監督の仕事だが、ファンと同じような目線で仕事はしていない。厳しく演技指導して作品の完成度を高めようとする。「音楽も効果音もプランがあって、そこにセリフを落とし込んで良いと思うかで最終判断する。セリフ芝居だけでオッケーは出さない」。キャスティングにあたっても、製作社側の都合などからすべてに携われる訳ではない。「すでにお願いしたい人が決まっている場合は、その人を中心にして年齢や世界観があっている人を選んで組んでいく」。常に全体のバランスを考えるスタンスで臨んでいる。
音響監督を目指す若い人も増えているが、「間口は狭い」と若林氏。年間に作られるアニメーションの本数には限りがあり、ひとりで何十本も担当する音響監督がいる中に割って入るのは難しい。若林氏がやって来たように、制作の現場に顔を出し、「みなにもうひと頑張りしてもらうために自分が頑張る」姿勢を見せることで信頼を得て、仕事を増やしていく方法もあるだろう。自分なりの仕事のやり方を考えいくのが、この道を目指す人にとっては大切だと言えそうだ。