金融庁のまとめによると、20~30代のNISA口座開設数は徐々に増えており、今年3月末時点で約117万口座に上る。ただ、開設者全体でみると、高齢世代が中心で、20~30代は約1割と少なく、子育て世代の利用促進が期待されている。
親の思い伝えて
投資家から見た場合のジュニアNISAの意義はなんだろうか。
ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんは「従来のNISAでは、年間100万円、1人1口座の制限があった。たくさん資金のある人にとっては実質的に非課税枠が広がるメリットがある」と話す。20歳以降は自動的にNISA口座が開設されるため、20歳を迎えた子供が自分で運用することも可能だ。その場合は「親の思いを伝えられるような運用をすることが大切」と指摘する。
「欧米では幼い子供に株を贈るといった投資教育が珍しくありません。ジュニアNISAを通じて、テクニックではなく、投資がどう世の中の役に立つのかを伝えられる。子供の成長に合わせて視野を広げられるよう提案しながら、社会の仕組みを教えられたら」と大竹さん。