踊りの輪の内側と外側で異なる音楽に乗って踊れるのも、無音ならでは。今年は、盆踊りの定番「炭坑節」とアニメソング「おどるポンポコリン」を別々の周波数で流した。子供も大人も同時に楽しめ、幅広い世代の参加につながっているようだ。「周波数を合わせれば、会場から離れて『1人盆踊り』もできる。無音盆踊りの可能性は無限にある」と森岡さん。
初回は踊り手が40~50人程度しかいなかったが、輪に入って踊る人が年々増加し、今月8、9両日に行われた無音盆踊りでは延べ400人が踊った。「風情がない」「不思議な感じ」と違和感を覚える人がいる一方、「ヘッドホンを使えば周囲のざわめきが聞こえず、踊りに没頭できる」との高評価も聞かれる。
薄れる共同体意識
騒音対策が必要となった背景には、苦情を言う住民の全国的な増加がある。全国から観光客が集まる盆踊り「阿波おどり」で知られる徳島県では3、4年前から、河川敷や公園で行われる練習の音に対し「うるさい」「何とかして」との苦情が県庁などに寄せられている。県の担当者は「住民の意識が変わったのかもしれない」と首をかしげる。