阪急・阪神の“100年戦争” 現実の統合劇にもテレビさながらのドラマ (3/5ページ)

2015.10.25 17:15

小林一三氏

小林一三氏【拡大】

  • 阪急今津線=兵庫県宝塚市

 阪急は「綺麗で早うてガラアキ。眺めの素敵によい涼しい電車」と新聞広告を打ち、大阪-神戸間を並行して走る阪神へのライバル意識をむき出しにした。電車のスピードアップやサービス競争を繰り広げた。ドラマで岩下氏が「阪神から話があってね。無益な競争に終止符を打って阪急に合併を考えてほしいそうだ」と持ちかけてきたのはこの頃の設定だ。

 小林氏は「阪急が阪神を飲み込む方向なら話をします」と返事をするが、まだまだ新興の阪急が阪神を買収するという発想は考えにくかったのだろう。岩下氏はあきらめ顔になるが、小林氏が「合併というなら阪急が上に立つべきです。なぜなら岩下清周がつくった会社だからです」と言い切ったときに感極まる見せ場のシーンが印象的だった。

 阪急と阪神はさまざまな分野で競合関係あり、プロ野球では阪神が昭和10年に甲子園を本拠地にするタイガースを誕生させると、阪急も翌11年には後のブレーブスとなる球団を結成している。遊園地やホテル、バス、タクシー、住宅、不動産開発などでも阪神間でしのぎを削ってきた。

ライバル同士を統合にかりたてたのは、言わずと知れた…

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