阪急・阪神の“100年戦争” 現実の統合劇にもテレビさながらのドラマ (4/5ページ)

2015.10.25 17:15

小林一三氏

小林一三氏【拡大】

  • 阪急今津線=兵庫県宝塚市

 阪急阪神誕生

 ライバル同士を統合にかりたてたのは、言わずと知れた「物言う株主」として多くの企業を震撼させた村上世彰氏が率いた投資ファンド(村上ファンド)だ。平成17年9月末、村上ファンドによる阪神株の26・67%を保有していることが発覚したのが発端だ。

 その半年前、阪神幹部は金融機関から「私鉄の株が投資ファンドに狙われているらしい」と注意喚起されたが、1株400円台で推移していた株価が8月ごろから急上昇し始めても阪神側は、リーグ優勝に向けて好調だったタイガースのご祝儀相場と受け止めて不作為を続けたことは有名だ。

 いくつか友好的な買収元「ホワイトナイト(白馬の騎士)」を買ってでる動きはあったが、1株1000円以上の村上ファンド側が希望する買い取り価格では折り合わず交渉は暗礁に乗り上げていた。その間に、現在はスカイマークの再建に乗り出していることで知られる佐山展生氏らが阪急の財務アドバイザーとして阪神との統合構想を提案したといわれる。

 村上ファンドに約46%まで買い占められ身動きが取れなくなっていた阪神幹部は銀行の仲介で阪急に頼ることを決断。阪神の意向を確認した阪急は経営統合に動き出した。

その後、村上氏が証券取引法違反容疑で逮捕され…

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