血液製剤やワクチンの国内メーカー「化学及血清療法研究所」(化血研、熊本市)が国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していた問題で、塩崎恭久厚生労働相は11日の閣議後会見で、「薬務行政を裏切る行為で、組織的な隠蔽は言語道断」と述べ、医薬品医療機器法(旧薬事法)違反の疑いで刑事告発も検討する考えを示した。
塩崎厚労相は化血研について「自浄作用を働かせるガバナンス(企業統治)の力もなく、法令順守の意識も低い」と批判。刑事告発は「国民の命に責任を持つものとして、いろいろ検討した上で判断する」と語った。
化血研の第三者委員会は、昭和49年ごろから承認外の方法で血液製剤を製造し、偽の製造記録を作成するなど隠蔽を図っていたと指摘。歴代幹部が不正を認識しながら放置した「重大な違法行為」があったと認定している。