クリーク・アンド・リバー社プロフェッサー事業部長の倉本秀治氏。【拡大】
しかし、計画には長期的な視点が欠けており、博士号取得者の就職、活用など全体的な制度設計が不十分だった。その結果が、冒頭に記したような現実を招いてしまう。しかも、博士課程修了者は毎年1万3000人輩出される。
もちろん、そのうちの何割かはアカデミックの世界に進めるかもしれないが、ポスドクの数は間違いなく増えていく。国レベルでの支援体制もさることながら、民間の力を活用した、今回のC&R社のような動きが求められることは論をまたない。
「新卒一括採用」「年功序列」が障害?
「具体的には、研究者向けとしての仕事紹介だけでなく、キャリアコンサルティング、セミナーなどを考えています。一方、企業向けには人材紹介にとどまらず、新規事業立ち上げの支援、そのための共同研究開発のパートナー探し、プロジェクトの構築を行います。いずれにして、両者とも意識改革が必要でしょう。研究者は大学にしがみつかず、企業での社会貢献を視野に入れること。企業には彼らの総合力を再認識してほしいと思っています。特に企業と大学との人材交流がうまく回る世界がこれからの社会に必要になると考えています」(倉本氏)