クリーク・アンド・リバー社プロフェッサー事業部長の倉本秀治氏。【拡大】
日本企業、とりわけ大手メーカーには新卒一括採用、年功序列という考え方が依然として根強い。つまり、人材は会社で育てるから、あえて博士号を取得した30歳前後の人たちの採用は必要ないということだ。
そこには、博士はプライドが高く、専門領域のことしかできないという偏見がある。けれども、専門の学会でプレゼンテーションを何度か経験し、英語で論文を書くといったスキルは、数カ月の訓練でビジネス上の大きな武器になるはずだ。
また、そうしていかないと、世界における日本の競争力は上がっていかない。アベノミクスは、円安と株価上昇で一定の支持を得ているものの、それは“3本の矢”の第1と第2の矢、すなわち金融緩和と財政出動によるものだ。日本経済の将来を考えれば、第3の矢である成長戦略こそ実現しなければならない政策だったはずだ。が、残念ながら具体的な成果はまだ目に見えていない。