「私のところへ来る相談者は、住宅の1次取得層である30代から40代の方が多い。その親御さんは郊外の一戸建てに住んでいたりする。『母が他界し、父ひとりで住むには広すぎる。どうしたらいいでしょうか』というのです。私の答えは決まっています。一部の確実に値上がりが見込める不動産や価値が明らかに下がらないケースを除き『売れるものなら、いますぐ売ったほうがいい』です。今後20年、日本の住宅価格は毎年2%ずつ下落するという試算もあるのですから」
老後のステージでは、家を売って現金化したくなるシーンはままある。「ひとりになったので息子夫婦の住むマンションへ世話になりたい」「階段がきついから平屋のバリアフリーの家に住み替えたい」「郊外から病院に近い街中に移りたい」「介護に備えてケア付き住宅に移り住みたい」などなど。
「みなさん『必要性が差し迫ったら売却を考える』とおっしゃる。たとえば、『家族にとって思い入れのある家だから』とか、『いま家を売ると親が、急に弱気になる気がして』などといった理由をつけて。でもそれでは遅きに失することが少なくないのです」