安倍晋三首相は17日、東京都内のホテルで開催された日本商工会議所の総会であいさつし、2016年春闘で労使交渉が続いている中小企業の経営者に対し、「賃上げに向けた最大限の努力をお願いしたい」と要請した。
大企業の春闘の集中回答が16日に終了し、今後は、中小企業の賃上げ交渉に焦点が移る。交渉が本格化するタイミングに合わせ、改めて賃上げ要請することで、安倍政権が掲げる景気好循環の実現を目指す狙い。
安倍首相は主要企業の春闘で、賃金水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)が前年よりも減額になったことについて触れ、「過去2年の賃上げの流れは続いている」との認識を示した上で、「デフレ脱却にあと一歩で、それには投資の拡大と賃上げが必要だ」と述べた。
17日午前には、日商の三村明夫会頭が自民党の高村正彦副総裁ら会談。三村氏は、取引価格の適正化などを念頭に「中小企業が賃上げや設備投資を行えるような条件を整えてほしい」と要望した。