白内障が進行した場合、手術以外に視力を回復する手段はない。手術は、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを入れる。眼内レンズには、ピントが合う距離が1つの単焦点と、複数の多焦点がある。保険適用となるのは単焦点だけで、手術の治療費は3割負担で片目が約5万円。
単焦点の場合、近くか遠くのどちらにピントを合わせるのか、医師の説明を聞いた上で患者が決める。近視の人の場合は、もともとの視力を参考に近くが見えるようにピントを合わせるのが一般的だ。遠くを見るには術前と同じように近眼の眼鏡を使用することになる。しかし、中には近視の人が遠くにピントを合わせるよう望み、術後に「やはり近くにピントが合った方がいい」と後悔するケースもあるという。
日本眼科医会常任理事で、小沢眼科内科病院(水戸市)の小沢忠彦院長は「術後に後悔しないために、術前に医師の説明を正しく理解することが大切」と指摘する。