患者報告が小児科に限られていることから、大人での実態はよく分かっていない。感染しても症状が出ない人がいる一方、激しい関節痛が数週間、まれに数年も続く場合があるという。
指が曲がらない
大きな流行があった昨年、京都府福知山市では大人の患者も相次いだ。
同市の森本宏美さん(36)は昨年2月、朝の起床時に手の指が曲がらないほどむくんでいるのに気付いた。数時間後、手首や足首に「立って歩けない」ほどの痛みが走った。包丁が握れず、他の家事もできなかった。はうようにしか動けない。車の運転も無理なので、家で横になっているしかなかった。
関節の痛みからリウマチを疑い、インターネットで調べたが、自分の症状は当てはまらない。「分からないのが一番不安でした」。数日後に受診した市立福知山市民病院での抗体検査で伝染性紅斑だと分かった。