会社説明会解禁日に行われた合同説明会=3月1日、千葉市の幕張メッセ【拡大】
就職情報提供会社のディスコの調査によると、5月1日時点で内定を獲得した学生は29.1%に上り、昨年の同時点の17.9%を大幅に上回った。結局、選考解禁日を早めた分だけ、企業が内定を出す時期も早まっただけのようだ。
ディスコの吉田治広報課長は、「事実上の内定を含めれば、5月末段階では5割近いところまで上昇するだろう」と予測する。
大学や学生側も指針破りは承知の上だ。神奈川県内の私立大学のキャリアセンター担当者は「実際の採用日程は、指針通りでないことを前提にして希望先企業の採用スケジュールを入手するよう学生に指導していた」と打ち明ける。
6月解禁がこのまま定着するかは不透明だ。3月の会社説明会開始から選考開始までの期間が3カ月と短くなり、「学生が業界や企業について十分に研究する時間がなく、ミスマッチにより内定辞退者が増える」(就活情報サイト担当者)とみられている。経団連も今後出てくる問題も踏まえ来年以降の日程を検討する考えだ。(平尾孝)