規制が強化されるたびに新業態が生まれる……1985年、新風営法施行を2時間後に控え、新宿・歌舞伎町をパトロールする警察官。【拡大】
また日本では実入りが悪いので、売春が合法のオーストラリアやアメリカへ、英語の勉強も兼ねて稼ぎにいくという動きも見られます。
東京オリンピック開催に際し、公の場から風俗業を駆逐する政策が取られることは必至です。現在の風俗産業は外国人観光客を積極的に受け入れていません。
しかし、新たな規制が設けられれば、そこから逃れる形で外国人向けの新業態が生まれる可能性も、十分にありえます。20年は、風俗開国元年になるかもしれません。
中村淳彦 1972年生まれ。ノンフィクションライター。主著に『名前のない女たち』『ワタミ渡邉美樹 日本を崩壊させるブラックモンスター』など。新潮新書『日本の風俗嬢』は1位書店が続出してベストセラーに。
鎌倉時代から続く規制と欲望の攻防史
【1193年】源頼朝が遊女取り締まりのため、里見義成に遊女別当を命じる。
【1585年】豊臣秀吉が「人心鎮撫の策」として遊女屋を積極的に認める。
【1617年】徳川幕府が庄司甚右衛門に「葭原(吉原)遊郭」の設置を許可。
私娼は禁止だが宿場の旅籠では「飯盛女」による売春があった。
【1859年】横浜に外国人相手の「港崎遊郭」ができる。
【1873年】公娼婦取締規則施行。後に取締権限は各地方長官に移される。
【1945年】終戦。「パンパン」と呼ばれる売春婦が全国に7万~8万人。
【1947年】東京・新宿の帝都座で「名画アルバム」と題する初のストリップ。