【江藤詩文の世界鉄道旅・夏休み特別企画】きかんしゃトーマス号(1)かわいい顔したハードボイルド“トーマス”に乗ってみた (2/2ページ)

2016.7.31 18:00

機関士の高橋一彰さん
機関士の高橋一彰さん【拡大】

  • 投炭するたびに熱風が吹き出した
  • ホームにはトップハム・ハット卿の姿も
  • 風情のある大井川鐵道新金谷駅
  • 風情のある大井川鐵道新金谷駅
  • トーマスとジェームスの重連による特別列車が入線
  • 昭和12年に日本車輌が製造したC12形タンク式蒸気機関車

 出発は大井川鐵道新金谷駅。入線したトーマス号に子どもたちが歓声を上げて駆け寄り、トップハム・ハット卿と記念撮影したりといったホームの賑わいをよそに、引き締まった表情で黙々と出発準備を進める男性がいた。トーマスの世界観にマッチしたキュートな制服を着用した機関士の高橋一彰さんだ。運転歴は10年以上。炭を投げ入れるたびにぼわっと熱風が立ち込めるが、汗ひとつかかず涼しげな雰囲気を漂わせている。

 トーマスもジェームスも、外観こそ子ども向けにかわいらしく飾られているが、その中身はSLそのもの。運転台はデコレーションされておらず、SLらしい無骨な面影が感じられる。これなら子どものみならず大人の鉄道ファンの気も惹きそうだ。高橋さんによると、蒸気機関車の運転は、マニュアルに頼らずその日の状況や機関車のコンディションによって機関士が判断したり操作することが多いため、電車とは比較にならないほど難しいそうだ。「通常3人ひと組のチームで運転しています。今日のような夏日の投炭作業はほんとうに暑いですし運転も難しいですが、そのぶん手応えがあり楽しいですね」。

 「SLそのものの力強い走りを感じてください」。そう言って高橋さんは、再び炭を投げ込んだ。出発は近い。

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