ベルギー第二の都市アントワープといえば、日本人にとっては何といってもあの涙をよぶ名作アニメ『フランダースの犬』の舞台であり、見どころは“ネロとパトラッシュ”が終にその前で息を引き取る巨匠・ルーベンスの大作だったりするのだが、世界ではあの感動作品は意外と知られていない。ベルギー人いわく「そんな悲しい話を子どもに聞かせたら、子どもがなかなか寝なくなって困る」そうだし、アメリカに至っては、なんと“実は仮死状態だったネロは生き返り、幸せになった”と、なんだか腑に落ちないハッピーエンドを自由につくりあげているくらいだ。
それじゃあアントワープはといえば、世界では“ファッションとダイヤモンド”の都市であり、3大名所はルーベンスの作品を収蔵する「アントワープ聖母大聖堂」(ちなみに『フランダースの犬』に登場する作品はメイン展示ではなかった!)、市庁舎前の「マルクト広場」にそびえる「ブラボー像」、そして「アントワープ中央駅」だ。
1905年にベルギーを代表する建築家ルイ・デラサンセリの設計によって1905年に完成した「アントワープ中央駅」は、2011年にはアメリカの旅行雑誌「トラベル・レジャー」のウェブサイトで、2014年にはイギリスのホテル予約サイトで発表された「世界でもっとも美しい駅」ランキングにおいて、双方でトップに輝いている(ちなみに日本からは「金沢駅」が両方にランクイン)。