屋根の全長が250m以上にも及ぶというこの駅舎は、券売窓口などが設けられた、天井の高い重厚感のある待ち合いホールとプラットホームで雰囲気ががらりと変わるドラマティックな空間だ。さすが世界一の美しさとあって、あっちにもこっちにも“撮り鉄”と思われる、バックパックを背負ってカメラをぶら提げたひとり旅らしき男性の姿がある。 一列に並んで仲良く撮影したり、順番を譲り合ったり。夕方の駅構内には、さすがチョコレート王国ベルギーらしくチョコレートの溶ける甘く濃密な香りが立ち込めていた。
■取材協力:ベルギー・フランダース政府観光局
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら