「顧問業」シニア活用の新機軸に ベンチャー・中小からニーズ、定年後も活躍 (2/5ページ)

顧問サービスを手掛けるサイエストが開いた勉強会。顧問同士の情報交換や質の向上に向け定期的に開催している=東京都港区(同社提供)
顧問サービスを手掛けるサイエストが開いた勉強会。顧問同士の情報交換や質の向上に向け定期的に開催している=東京都港区(同社提供)【拡大】

 「企業は詳しい知識のある人ではなく、切った張ったのビジネスの実体験がある人を欲しがっている」と、アイコモンカンパニー事業責任者の鏑木陽二朗氏は話す。2011年のサービス開始から利用企業は増え続け、今年6月末時点で1200社を数える。中小ベンチャーはもちろん、大企業も少なくない。売り上げは直近3年は毎年30%増で推移している。

 「大企業で積ませてもらった得難い経験を、これからの企業や若い人へ還元したい」

 3年前、石黒洋一さん(63)=仮名=は、大手ゼネコンを定年の60歳で退職した。社内留学でのMBA(経営学修士)取得を経て米国、英国、中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)と約30年にわたり海外勤務を経験。定年後のポストも用意されたが、選んだのは「顧問」という働き方。インターネット検索で、海外経験の豊富な人材に特化し、顧問の紹介を手掛けるサイエスト(東京都港区)にたどりついた。

 香川県の総合設備会社の支援では、1年で、海外進出の足掛かりとなるシンガポール法人設立を果たした。「どんな銀行やコンサルタントの案より早い」と、支援先の担当者は驚いたという。一から人材育成していては間に合わない中小企業も、顧問サービスを使い、お金で即戦力の経験を手に入れられる。