携帯料金にまつわる問題がバランスよく議論されれば、大手キャリアの料金値下げは実現するかもしれない。しかし有識者会議では、ヘビーユーザーとライトユーザーの格差をなくすことばかりに話が集中しているきらいがある。このままでは予算を組み替えただけの大手キャリアが「ヘビーユーザーはライトユーザーの分までお金を払ってくださいね」と言って終わるのがオチで、消費者は通信費に頭を悩ませ続けるというのが私の予測だ。
そういうわけで、値下げを待っているだけではだめ。自ら行動する必要がある。しかし、一番にオススメするのは、話題のMVNOへの乗り換えではなく、請求書の確認だ。
まずはオプション。ほとんど使っていないものや、契約時にショップ店員に勧められるまま加入し、解約し忘れているものはないだろうか。月々300円のオプションでも、3つもあれば、年間1万円の損だ。次に、データ通信のプラン。料金プランごとに3ギガ、5ギガなどパケット量が設定されているが、月々の使用量は現在のプランと見合ったものか、見直してみよう。
さて、「格安」という言葉にひかれ、MVNOに挑戦したい人もいることだろう。しかし、大手キャリアでは標準になっている電話かけ放題プランがないことを留意しておくべきだ。15年10月にはニフティが提供するNifMoが時間・回数とも通話無制限のサービスを開始したが、これは通常の電話回線ではなく、専用アプリを使用したIP電話だ。また、ネットや電話窓口しかない業者の場合、スマホの故障などのトラブル対応に時間がかかる。