このように「我が子のためを思って考え抜いての受験」ではなく「受験しないと乗り遅れる」的な強迫観念を持つ母も多いのであるが、こういう「何が何でも受験させる・合格させる」発想で中学受験に突入したご家庭の予後はあまりよろしくない。ある大手塾に「NN(何が何でも)志望校別受験コース」という上位校受験者向けの教室があるが、母親だけが、いわば「NN病」に罹ってしまうと、最悪、家庭崩壊に行き着いてしまうのだ。
我が子を見ているようで見ておらず「有名私立に子供を通わせる偉いワタクシ」に酔っているだけだと、子育ては瞬くうちに「迷宮」へと入り込んでいくだろう。
それは家族の誰にも幸運をもたらさない。
「名門一貫校に合格しないと未来はない」と刷り込まれる親
繰り返すが「中学受験はやってもやらなくても、どちらでも良いものである」。
だからこそ冷静に見極めなければならないものなのであるが、哀しいかな「ここで受験して、有名校に合格しなければこの子の未来はない」とまで思ってしまう「刷り込み母」がたくさん実在するのである。
今回はどういうタイプの母親がこの「刷り込み」を受けやすいのかを綴ってみたい。
もし、これに心当たりがある母は中学受験から潔く撤退し、子供自身の成長を待ち高校受験へと照準を合わすか、「それでも中学受験!」という場合は自分の行動が我が子の邪魔をしていないかをよくよく注意しながら、受験道を歩んで行ってもらいたい。結局、それが家族の幸せにつながるからだ。