県は奨学金の返済を肩代わりする方法も検討したが、必要な財源の割に支援できる人数が少ないため見送った。地元企業からは早速、「効果が少しでもあればありがたい」と歓迎の声が上がる。
佐賀県では、若手の人手不足が深刻だ。清涼飲料水などのメーカーは20人前後の採用枠に応募者数が満たない状況が3、4年前から続くという。担当者は「このままでは製造に支障が出かねない」と危機感を口にする。
文部科学省によると、昨年春に卒業した佐賀の高校生の就職先は、44.2%が県外。地元経済団体幹部は「県外の大企業が高校の1クラスをほとんどそっくり採用して連れて行ってしまうこともある」とこぼす。佐賀銀行の陣内芳博頭取も「昨年ごろから、地元企業を回ると必ず人手不足の話になる」とした上で「地方共通の問題だ。解決しなければ地方創生どころか、衰退する」と指摘する。