例えば、「生活費が抑えられそうな街(駅)」のランキングでは、1位に北千住、3位に赤羽が入っているが、この2つの街は、最近では「穴場エリア」として注目が高まっている。特に北千住の場合は、不動産情報サイト「SUUMO」を運営する株式会社リクルート住まいカンパニーが発表した「穴場だと思う街ランキング」で3年連続1位を獲得しており、もはや人気駅の仲間入りを果たした印象もある。
首都圏は、江戸城(現在の皇居)を中心として城東・城西・城南・城北の4エリアに分類されるが、今までは城南・城西エリアに人気が集中し、城北・城東エリアの街のブランド力は低迷し続けていた。
北千住は常磐線や日比谷線など5路線が乗り入れており、赤羽も池袋・新宿・渋谷・東京・品川にダイレクトアクセスできる屈指の交通利便性を有している。にもかかわらず、吉祥寺や自由が丘などの後塵(こうじん)を拝し続けてきたのは、人気がない城北・城東エリアに位置していたからだ。
しかし、2012年に開業した東京スカイツリーが、「城南・城西>城北・城東」の風潮に一石を投じる。スカイツリーが建ったことで東京の東側エリアへの注目が高まり、その過程で、人々が東側エリアの魅力に気付き始めたのだ。交通利便性が高い割には家賃がお手頃というのも大きいが、昔ながらの商店街に代表される「下町の雰囲気」が、人気の下支えになっている。