ペットの犬や猫にも手軽に再生医療を-。大日本住友製薬の子会社、DSファーマアニマルヘルス(大阪市)が、世界初となる動物向けの再生医療用医薬品の開発に取り組んでいる。
動物のアトピー性皮膚炎や椎間板ヘルニア、肝硬変などの疾患で効果が期待できるといい、平成29年度内にも臨床試験を開始。30年度中に農林水産省への承認申請を目指す。
薬として使うのは骨や脂肪などのもとになる「間葉系幹細胞」。免疫のバランスを保つ作用があり、違う個体からのものでも拒絶反応が起こりにくいとされる。臨床試験では健康な犬の脂肪から採取した細胞を培養し、疾患がある犬に点滴投与して効果や安全性を検証する。
現在は特別な設備を持つ一部の動物病院が個別に細胞を培養し治療に使っているが、時間も手間もかかる。製薬会社が製品化し販売すれば、多くのペットが治療を受けられる。
DSファーマアニマルヘルスの担当者は「動物用で再生医療の製品化のノウハウを取得できれば、ヒト向けの医薬品開発にも生かせる可能性がある」としている。