市場拡大のシェアサイクルに追い風 注目集めるコインパーキングの拠点化 (2/4ページ)

「PECOりん」の貸出拠点。名古屋駅から徒歩15分ほどで、観光客の利用が特に多い(スペース24提供)
「PECOりん」の貸出拠点。名古屋駅から徒歩15分ほどで、観光客の利用が特に多い(スペース24提供)【拡大】

  • シェアサイクルのイメージ

 しかしシェアサイクルは、ステーション網がきめ細やかであればあるほど使い勝手が高まるものだ。ドラッグストアはそもそも店舗数が少ないし、コンビニは多いにしても駐輪スペースに余裕のある店舗ばかりとは限らない。そこで、それら以外に都市内で貸し出しステーションとして有望な施設はないかと調査したところ、コインパーキングの一角にレンタサイクルを並べている事業者が見つかった。

 なるほどコインパーキングか。母数としてはコンビニよりも多いくらいだし、しかも路地裏も含めてまんべんなく市街地に点在している。それらを拠点として活用できるなら、シェアサイクル計画を絵に書いた餅に終わらせず、定着につなげる一助となるに違いあるまい。そう考えて、事業者を取材することにした。

3県のコインパーキングで事業展開するレンタサイクル

 スペース24は、全国にコインパーキングを展開する事業者だ。同社は「PECO」という会員サービスの一環として、レンタサイクル「PECOりん」をサービス展開している。

 レンタサイクルの利用方法や拠点一覧、料金については、同社広報ブログのこちらの記事(http://kouhou24.blog.fc2.com/blog-entry-256.html)をご覧いただきたい。特筆すべきは、貸出手続きから決済までをスマホで処理することで無人サービスを実現していることだ。

 貸出拠点は、静岡県内に3カ所(JR東海道本線の東静岡・愛野・高塚各駅前)と、愛知県内に7カ所(名鉄犬山線の岩倉~江南~扶桑の各駅前を中心とした6カ所に加えて、名古屋駅から徒歩圏内に1カ所)、そして広島県のJR宮島口駅前の1カ所からなり、自転車台数はおおむね5台程度(4~9台)となっている。

 「14年頃に『駐車場のデッドスペースの有効活用』という観点から社内発案があり、情報収集と実態調査を経て事業化しました。車1台分くらいのスペースがあればよく、初期投資費用も数十万円で済むため、社内ベンチャーとして挑戦しやすい事情がありました」(スペース24経営戦略本部戦略開発課の本田世界氏)

 そのレンタサイクルの利用実態だが、コインパーキングに車をとめて自転車に乗り換える人は思ったほど多くはなく、近所の人や観光客が徒歩で利用する例が目立つという。特に名古屋駅近くと、広島県の宮島口駅前の拠点はもともと観光客が多い土地柄であり、駅前ロータリーに面しているわけでもないのに、わざわざ選んで来てくれるそうだ。

レンタサイクル需要と供給に不一致