「俺は悪くない!」「楽しみ奪うのか」性格が影響 なぜイライラ人間は貯金できないのか (3/3ページ)

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  • 八ツ井慶子氏

 「かつて自営業で羽振りのいい暮らしをしていた50代の男性が、リーマンショック後の不況で職も貯蓄も失ってしまい、相談に来たことがありました。収入のない今も生活水準が下げられずにいるようで、家計簿には明らかに使いすぎだという費目がたくさんありました」

 そこで、通信費の節約を提案したところ、「孫の声を聞く楽しみを奪うのか」と声を荒らげ、食費の高さを指摘すると「この年になってマズいものは食べたくない」と拒み、結局、保険の内容を見直す程度しか手を打てなかったという。

 「散財に悩んでいる人は、家計に問題があることを心のどこかで理解しているようですが、この方のように、それを認めるのが怖くて、現実逃避している場合があります。お金の使い方を見直すというのは、単純に行動を変えるということではなく、考え方や価値観を変えることでもあります。痛みが伴うのは当然なのです」

 そのイライラが、気づかないうちにお金を遠ざけていることもある。なぜか貯まらないという人は、自分の内面と向き合ってみてはどうだろうか。

 八ツ井慶子

 大手信用金庫を経て、2001年FP活動開始。13年独立。城西大学非常勤講師。著書に『レシート○×チェックでズボラなあなたのお金が貯まり出す』(小社刊)。

 (友清 哲 撮影(八ツ井慶子氏)=吉澤健太)(PRESIDENT Online)