店員全員が「すいません!」 不思議すぎる焼肉屋で遭遇した「ダメ謝罪」 (1/3ページ)

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ニッポンの謝罪道

 不思議すぎる店に行ってきました。何が不思議かって、3人いる店員全員が最初から最後まで私たちに謝り続けているのです。店に入ったときから出るまでの1時間で30回ぐらいは謝罪されたと思います。あまりにも不思議な店だったのと、これは「謝罪道」的には「やりすぎ」であるのに加え、「社会人は結果がすべて」という事実を改めて突きつけたので、今回報告します。

店員全員が「すいません!」を連呼

 いや、直感的にイヤな予感はしたんですよ。とある休日の17時、突然焼肉が食べたくなり、某駅の一番の人気店・Aに電話しました。「18時半から大丈夫ですか?」と聞いたところ、「21時なら大丈夫」と言われました。それはさすがに遅い。そこで、食べログを見たのですが、同エリアで残る店は2軒。1軒は以前行ったことがあるのですが、とにかく肉がまずい。そこで、それまで知らなかった店・Cに電話をしたところ「18時半はまだ席が空いていませんが、19時でしたら大丈夫だと思います」と言われました。17時の段階で満席ってなんちゅー店だ? そこまで人気があるのか? そして、30分違えば大丈夫ってどういうことだろうか……。そんな疑問も抱きました。

 そこで19時に店へ着いたところ、まだ席は空いておらず、60歳ぐらいの女性店員(恐らく店主の妻)が、「まだなんですよ……。もうすぐ空くとは思いますが……すみません、すみません!」と言ったので、私たち2人は店の外で待つことにしました。数分後、私たちが立っているのを見た彼女は椅子を一つ持ってきてくれました。

「すいません、すいません、これ、使って下さい!」

 この丁寧な対応には「そんな、お気になさらないでください。わざわざありがとうございます」とお礼を言いました。19時10分頃に3人組が後ろからやってきて、彼らのうち1人が私に「待ってますか」と言い、「はい」と答えたところ、彼はとりあえず目途を聞きに中に入りました。彼が戻ってくると仲間には「それどころじゃない店だった。行こう」と言いました。

 「それどころじゃない」とは一体なんなのかがこの時点では分からなかったのですが、彼は「このままではしばらくは無理だな」と判断したのでしょう。こちらは席待ちの1組目なので、待つことは継続したのですが、19時21分、さすがに長いと感じ、同行者が目安を聞きにいきました。すると「3分」と件の店員は言います。結果的に19時27分に席に通されたのですが、3人いる店員全員が私たちに「すいません」と頭を下げるのですよ……。

「この店を選んで良かったと思いたい」…むなしいホメ合い