旧中島飛行機創設者で日本の飛行機王、中島知久平(1884~1949年)が先の大戦中、米国爆撃を目的に構想しながら戦局悪化で幻に終わった爆撃機「富嶽」。そのラジコンが3日、生誕の地・群馬県太田市の大空に舞った。残された設計図を基に復元された3種類のうち、この日は輸送機と旅客機の2タイプによる編隊飛行が初めて実現、詰めかけた3万人を超すラジコンファンを沸かせた。(前橋支局・平田浩一)
舞台は、太田市の尾島RC(ラジコン)スカイポートで開催された「文化の日」恒例の航空ショー「第31回RC航空ページェント」。今年は「富嶽」2タイプのほか、隼や零戦、紫電改にワイルドキャットなどの大戦機やラジコン飛行機、ヘリコプター約70機が出場。スケール機やジェット機部門などに分かれ、世界トップクラスのフライヤー(操縦者)がアクロバット飛行などを披露し、全国から約3万2千人(主催者発表)が集まった。
午前8時半、8機の「ヴィンテージ・プレーン」が次々と飛行して始まったRC航空ページェントは「スポーツ機」「ユニーク機」の後、「中島飛行機の足跡」と題し富嶽2タイプが編隊飛行を披露した。