若手に広がる「沈黙の謀反」 ブラック職場で攻撃的反応を引き起こす“負の構造”とは (2/4ページ)

 「沈黙の謀反」を起こす意識の高い若手社員

 2年ほど前からストレスチェックが義務化され、また長時間残業問題も含めた働き方改革が叫ばれています。個々が目の前の仕事に閉じこもり、誰からも助けてもらえず、追い込まれていく状況はもう続けてはならないのです。

 ところが、そこから抜け出せない企業が相変わらず多い。目の前の業績が下がる、人は増やせない、担当も代えられない。そういって、何も変えようとしない、正そうとしない。

 この状況に耐え切れなくなった人、それを見ておかしいと思っている人が声を上げる。でも目の前の上司や経営者に進言しても、何も変わらないと思う。だから、外に向かって発信する、いたたまれない気持ちをつぶやく。これがきっかけで、違法残業や不適切な管理、不正が発覚していく。

 声を上げずに見切りをつける社員も増えています。今までのやり方を変えられない、変えようとしない上司たち、経営者たちを見て、意識の高い若手社員は、「この会社に未来はない」と「沈黙の謀反」を起こして離れていきます。

 突きつけられているのは、企業は何のために存在するのかということです。社員を幸せにできない会社が、存続していくことができるのでしょうか。働く人たちが心を押し殺して、耐え続けている会社からイノベーションが生まれるのでしょうか。改めて社員が主体的に動き出したくなる、そんな原動力を見出さなければなりません。

「欲求段階説」で考える