入社直後は大手並みだったのに… 優良だと錯覚する「キラキラ系ブラック企業」 (5/5ページ)

 キラキラ系ブラックに隠れて目立たないが、地味ホワイトである機械部品メーカー人事部長は自社の魅力をこう語る。

 「確かに大手ホワイトに比べると30歳で500万円弱、40歳過ぎの課長でも800万円を超えることはないが、50歳まで平均4000~5000円の定期昇給があり、寮・社宅も完備しています。規模は小さいが、その分個人の仕事の裁量が大きく、いろんなことを経験し、キャリアを積むこともできます。役職定年も57歳と大手よりも遅いし、長いスパンでキャリアアップを図れる。何より同僚や先輩が熱心に面倒を見てくれるし、愛に溢れているんです」

 こう力説する人事部長だが「うち以外にソフトバンクなどの入社面接を受けている学生は、そちらに内定するとうちにはまず入りません」と嘆く。

 地味ホワイトの魅力は給与の額面だけではない。国内有数の試薬メーカー、関東化学元社員は「福利厚生が充実しています。住宅、家族手当などの手当のほか都内の借り上げ社宅の個人負担も2万~3万円程度です。営業担当者には背広手当として月2万円が支給されていました。住宅融資や財形貯蓄もあり、退職年金も今流行の確定拠出年金ではなく、確実にもらえる企業年金に入っていました」と語る。

 額面の給与はそれほど高くなくても背広手当が月2万円プラスされれば、年間で24万円。

 就職・転職先を探している人はまず年代別のモデル賃金を担当者から聞き出すこと。そして隠れた給与の福利厚生もチェックして、自分に見合った会社を選ぶといいだろう。

 (ジャーナリスト 溝上 憲文)(PRESIDENT Online)