▼東京圏では子育てと仕事の両立はトレードオフ
東京圏で暮らす高学歴女性の多くは、新卒時点では正規雇用の職に就く傾向が強いものの、結婚や出産を経験する中で、正規雇用の職から正規雇用以外の働き方(パート、アルバイトなど)や専業主婦へと移行していく傾向がみられます。
アンケート調査結果のなかでは、正規雇用を離職した理由で最も多かったのは「できることなら子育てをしながら仕事を続けたいと思っていたが、実際に子育てと仕事の両立が難しいと思ったから退職した(35.0%)」でした。
退職理由にはほかにも要素があると思われますが、データからは東京圏では子育てと仕事の両立負担は極めて重く、いまだに子どもを持つことと仕事を続けることがトレードオフの関係になっている現状がうかがえます。
都心5区の高学歴女性は正社員率が高いが出生数は低い
【2:子どもを持つ専業主婦になると住まいは千葉、埼玉、神奈川に】
高学歴女性の居住エリア別の就業形態をみると、正規雇用されている比率は「東京23区」に住む女性が28.3%で東京圏では最も高くなりました。そのほかの地域は、「神奈川県」22.9%、「千葉県」22.6%、「23区外の東京都」18.9%という結果でした。
一方、仕事を持たない専業主婦の比率を比べてみると、「東京23区」は最も低い37.6%でした。専業主婦率が60%前後にもなる「神奈川県」「千葉県」「埼玉県」とは極めて対照的な結果となりました(図表1)。
▼千代田・港・中央・新宿・渋谷の高学歴女性の子ども人数は0.53人
さらに、居住エリア別の正規雇用比率と、既婚の高学歴女性一人当たりの子どもの人数には「負の相関」がみられます。つまり正規雇用比率が高いと子どもの人数は少なくなり、正規雇用比率が低いと子どもの人数は多くなります。
例えば、正規雇用比率の高い「東京23区内」のなかの都心5区(千代田区・港区・中央区・新宿区・渋谷区)に限ると、その比率は39.0%ととても高くなっていますが、高学歴女性一人当たりの子どもの人数0.53人と非常に少なくなっています(図表2)。