「社員のファッションが微妙」だと人材は集まらない 学生は企業のどこを見ているのか (3/4ページ)

 だがこうした光景は偶然でなく、ホテル側が訪れた顧客のクルマの中から、高額なクルマをあえて正面玄関に停めさせることがある。自社のイメージを「高級」に演出するために意図的に行っている行為だ。利用者は多様なクルマでホテルに訪れるが、軽自動車や大衆車が玄関に駐車していることはまずない。大部分のクルマはホテルの駐車場に案内され、玄関前に駐車できるのは限られた条件を満たす顧客だけだ。これも5ツ星ホテルがブランドイメージを維持し、高めるための施策だ。

 働く社員によって、企業イメージがつくられる

 企業で働く社員によって企業のイメージがつくられる例は、サービス産業に多い。

 航空会社のキャビン・アテンダント(CA)はその好例だ。デザイン化された制服に身を包み、身長(※)は日系航空会社ならおよそ158センチ以上、外資系航空会社なら160センチ以上で、平均的体重のスタッフが勤務する。英語など外国語の素養も要求され、りりしく働く女性の姿が航空会社のイメージ形成に大きく貢献している。

 別の意味合いで、女性スタッフを売り物にしている企業がフーターズだ。1983年10月にアメリカのフロリダ西海岸にあるクリアウォーターで、レストランの経営経験がない6人のビジネスマンが居心地の良い店ができないかと考えてつくったのが、カジュアルなアメリカンダイニング&スポーツバーのフーターズだ。

 チアリーダーをイメージした女性スタッフ「フーターズ・ガール」が人気を呼び、フーターズはアメリカを中心に、28カ国で430店舗以上を展開している。アメリカンフットボールはアメリカ国内で絶大な人気を誇り、多くのファンがいる。ゲームの合間に登場するチアリーダーも注目の的だ。そのチアリーダーにヒントを得て生まれたフーターズ・ガールのユニフォームは、オレンジ色のショートパンツに、“胸の谷間”を強調したTシャツ姿が売り物だ。

企業イメージで、人材獲得力が決まる