経団連は3%要請を社会的な期待として意識し、各社に前向きに取り組むよう呼びかけるが、強制力はない。しかも、3%を超える賃上げは1994年の3.1%以降実現していない。このため、多くの経営者が非常に高いハードルとの認識を示しており、3%賃上げの実現に向けて、今後、労使で厳しい交渉に臨むことになる。
また、昨年に引き続き、「働き方改革」も大きな論点だ。
経団連は長時間労働是正の中で、残業時間が減り、その分が収入減になることを問題視する。残業減とはいえ従業員の総収入が減少すれば、デフレ脱却、消費拡大のため実施する賃上げの効果が薄れるからだ。
残業が減っても生産性向上で収益を維持・拡大させ、その分を処遇改善に充てるべきだと指摘する。
ボーナスや残業手当に代わる手当の新設で、年収を減らさないような措置が長時間労働是正に取り組む上で、不可欠としている。
連合は同一労働同一賃金に向け、非正規労働者と正社員の賃金水準の格差是正に取り組む。非正規労働者が全労働者の4割を占めることを踏まえ、労使交渉の中心に非正規労働者の待遇改善を据える。非正規・正社員の賃金格差解消に取り組むことが、全体の底上げとなり、デフレ脱却につながるとしている。(平尾孝)