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変えようとすれば、相手が変わらないことに苛立ったり、腹立たしくなったりすることがあると思いますし、それがストレスにもなるでしょう。しかし、放っておけば、心が騒ぐことも、気持ちが煩わされることもありません。
そして、それまでとは違った距離感で付き合うことができます。すなわち、距離を充分にとって、割り切った関係が保てるのです。先の上司の例でいえば、何かと仕事に口出しをされても、聞き流せるのではないでしょうか。
どんな相手に対しても、変えようとしないというスタンスは堅持です。そうすることで、あらゆる人間関係は目に見えてシンプルになりますし、風通しのよいものにもなるのです。
他人を理解しようとしすぎない
人付き合いでは、お互いに相手を理解しようとつとめます。しかし、どんなに親しい間柄であっても、相手は他人ですから、理解できる範囲にはおのずと限界があることは知っておかなければいけません。
ところが、現実にはそのことを忘れてしまうことが少なくないのです。たとえば、恋の渦中にいる男女は錯覚に陥りやすいといえます。
「彼は私のことをすべてわかってくれている。私も彼のことを完全に理解している」
たしかに、本人はそう思っているのでしょう。しかし、生まれた場所も、育った環境も、受けた教育も、付き合ってきた人たちも違う人間どうしが、完全に理解し合うことなどできるはずがないのです。
あなたの理解は思い込みではありませんか?
理解しているというのは思い込み、錯覚でしかありません。しかも、恋愛中は相手に合わせようとする意識が働きます。一緒に食事をする場合でも、ほんとうは自分が和食派でも、相手がイタリアン好きなら、レストランでの食事が多くなったりする。そこでこんな思い込みが生まれるわけです。