就活に広がる「AI面接」で勝てる学生とは 無名大学は逆襲のチャンス、高学歴層は要注意 (3/3ページ)

AI面接サービス「SHaiN」を受ける様子(同社提供)
AI面接サービス「SHaiN」を受ける様子(同社提供)【拡大】

  • AI面接サービス「SHaiN」が作動しているスマホ画面(同社提供)
  • タレントアンドアセスメントの山﨑俊明社長

 「例えば、飲食店でバイトをしていた学生には、なぜそのバイトをしたのか聞きます。そこで『食べるのが好きだから』と答える人と、『家計を支えるために』と答える人がいれば、後者は課題設定が高く、バイタリティのある人だと判断する」(山﨑社長)

 採用現場で広がるAI面接に、学生はどう対策すればいいのか。山﨑社長は、「学生時代にしっかりと学生であること」「的確に答えること」「無駄を省くこと」が大事だと言う。

 「大学時代の勉強・活動・アルバイトを“目的を持って”取り組んできた学生は強いです。AI面接では的確に答えるのもコツ。状況を聞いているときに結果を答えてしまうタイプは、面接時間が3時間にもなる人がいます。あとは無駄な挙動が多かったり無駄に緊張したりする人もNGですね」(山﨑社長)

 一方、これまで「面接強者」だった学生も、いつもの勝ちパターンが通用しなくなるかもしれない。

 「『このタイプの面接官には、こう答えよう』と、面接官のタイプに合わせて対応してきた人は、このテクニックが使えなくなります。あと、高学歴層の注意点として、課題設定が苦手な人が割合多いです。与えられた環境で過ごした子が多いんですね。このような学生は、課題を意識して回答するといいです」(山﨑社長)

◆人事部の仕事を奪うという“誤解”

 サービス開始以降、企業からの問い合わせも絶えない。そもそも「面接官は本当に人を見抜けているのか」「面接官の“勘や好み”が反映されていないか」など、人力による面接の信憑性に疑問を持つ企業に向けて、科学的根拠に基づく面接システムを提供しようという目的だったが、大量のエントリーをさばく大企業、面接を“キャンセルされがち”な中小企業、足を運びにくい地方企業など、顧客企業の課題は様々だ。

 「たまに人事部の方の口コミが耳に入るのですが、AI面接を誤解している人が多いです。人事部の仕事は奪いません。むしろAI面接を活用することで、人事部が本来集中すべき『入社を動機づける』という業務に時間が割けられます。他社に人材を奪われないためには、受験者に感情を伝えないといけない。AIには感情を判断できない。入社への動機づけは、人にしかできない仕事なんです」(山﨑社長)