派遣業の破綻が急増…人手不足でも追い風吹かず ブラック解消どころか“消耗戦”に (3/3ページ)

◆9月に迫る派遣法改正の経過措置切れ

 人手不足から労働者派遣業界には追い風が吹いている印象が強い。だが、企業が正社員登用を増やしている結果、派遣登録の人手不足が進み、人材を確保しやすい大手の競争力が強まる傾向にある。それだけに中小業者は生き残りに向けた消耗戦に入っている。

 さらに、2015年に改正労働者派遣法が施行され、経過措置期間が終了する今年9月29日までに事務所の最低面積や基準資産額(資産の総額から負債の総額を控除した金額)や現預金額などの資産要件をクリアしなければ事業継続ができなくなる。

 こうした資産要件の達成は、競争力が劣勢で、業績改善が進まない中小の労働者派遣事業者には重荷となっており、今後も経営基盤が乏しい中小・零細事業者の動向から目を離せなくなった。

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