若者支援で高齢者に新たな生きがいを 「世代間ホームシェア」が増え続けるわけ (2/4ページ)

 「若い子と住むようになって、何よりにぎやかになりました。テレビを見ていても、すぐに反応があり楽しいですね。三原くんは実の孫と同世代なんです。4人目の孫ができたと喜んでいます。性格的に遠慮がなく、気が合いますね」(浅見さん)

▽共通の趣味はカメラ

 2人はカメラが共通の趣味で、古いフィルムカメラを貸し借りして、楽しんでいる様子だ。

 彼らを結びつけたのが、NPO法人「リブ&リブ」という団体である。代表の石橋ふさ子さんは、30年間、国際交流の仕事に携わってきた人物。退職後、第二の人生をどう歩もうかと思案している時に、この活動を知ったという。

 「ある時、知人からヨーロッパで行われている世代間ホームシェアのことを聞いたのです。今は日本でも元気なシニアが活躍していますが、当時は彼らの居場所がなく、楽しく過ごしている人は少ないと感じたんです。ですから話を聞いて、ぜひとも現地に活動の様子を見に行きたいと、すぐにヨーロッパへ飛びました」(石橋さん)

 世代間ホームシェアは、1990年代にスペインのバルセロナで始まった活動である。欧米各地に広がり、数多くの成功例が生まれている。

 「バルセロナで5組のペアから話を聞き、2組の住まいを見学したのですが、90歳の女性が30歳の大学院生と共同生活をしていて、本当に生き生きと楽しそうだったんです。学生は家賃の負担が軽くなり、親元から離れても安心でき、シニアの知恵や共助の精神も学ぶことができる。シニアの方は、生きがいを得て、健康寿命を伸ばしている。その姿を見て、これからの日本に必要な仕組みだと確信しました」(石橋さん)

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